インド音楽
インドにおける古典音楽の伝統は、賢者バラータの唱えた主義に基づいており、今日もなお瞑想・集中・崇拝といった形で受け継がれている。
“ラーガ”あるいは音階は音楽全体の基本を成している。ラーガは本質的に7つの音符の審美的な演奏であり、その一つ一つに独特の趣とムードがあるといわれている。
“ターラ”は音楽を一つにまとめたものである。それは本質的に演奏にごとに決められたタイムサイクルであり、一つの演奏が終わるとその次の演奏といったように演奏を繰り返すものである。ターラは拍子と拍子の間での多くの即興を可能にし、それぞれのサイクルの間で複雑な変奏をすることも可能である。
ラーガ、ターラ、お決まりの見せ場などにより、インドのミュージシャンは様々な感情を作り出す。旋律の美しい演奏音は、目利きであろうとなかろうと音に耳を傾ける者全ての心の奥の感情やムードを呼び起こす。
今日では、インド音楽の伝統には二つの主流傾向がある。カルナータカ音楽(南部)とヒンドウスターニー音楽(北部)である。カルナータカ音楽とヒンドウスターニー音楽にはそれらの遺産や原理が本質的に同じであるといったような共通の特徴がいくつかある。しかしながら、それぞれのラーガや節は普通はっきりと異なっているのである。
シタールは、今から約二千年前、ペルシャからアフガニスタンを経てインドに入った北インドの代表的な古典弦楽器です。演奏は全て暗譜で行うため師匠から弟子へと伝承されます。
現在シタールは、芸術音楽だけでなく、広くインド映画,ドラマなどのBGM(音楽)アンサンブルなどでも使われています。インドの演奏会でも代表的な弦楽器として活躍しています。若い人々にもとても人気があり、今でも有名なシタール奏者の演奏を聞きに大勢の若い人が集まります。シタールはインドだけでなく、アメリカ、ヨーロッパ
などにもとても人気があり、最近インド人以外のシタール奏者が増えています。
世界中で行われているワールドミュージックフェスティバルなどでもインド伝統音楽を代表する楽器です。
共鳴胴は、夕顔の実(つまりかんぴょう)を乾燥させ、必要な部分を切り取って使います。これに木製の共鳴板を取り付け、ネックを取り付けています。主奏弦7本はフレットの上を通り,それに加え、フレットとネック上の指板との間を通る共鳴弦があります。共鳴弦11~13本がついています。全体で17本から20本ほどの弦を持つことになります。弦の材質は、鋼鉄(スチール)と青銅(ブロンズ)です。インド古来の弦楽器であるヴィーナが改良されたもので、右手の人差し指にはめるピアノ線で出来たピックによって弾かれます。主奏弦の左側3本はチカリと呼ばれ、リズム用で一定の高さの音を出します。また、共鳴弦がフレットの下を通っていて、ラーガのもつ音階に合わせて調律を変えその共鳴がこの楽器に豊かな響きを与えています。音程は弦を引っ張ることによっても変えることが出来、微妙な音程や歌うようななめらかな動きなどあらゆる表現を可能にしています。また、大きな特徴としてブリッジの弦に触れるところが広いスロープ状になっており、長い余韻を作り出します。
右手人差し指には、ミズラーブという義爪をはめて弦を弾きます。左手は、人差し指、中指を使って弦を押さえます。
チャンドラカント・サラデシュムク氏は約1500曲を暗譜しています。
その他にもインドクラシック音楽の規則を通じて、クラシック・セミクラシック(インド映画など)の歌、インドダンスのための作曲、ドラマなどのバックミュージックなどの作曲経験があります。
タブラ
北インドの代表的打楽器。右手で叩く小さい方がタブラ、左の大きい方がバヤ。合わせてタブラと呼びます。中央の黒い円はカブ(またはシャヒ)といって鉄粉などを練り合わせたものが塗られていて、これが多彩な音色や奏法を可能にしています。合わせて主音に調律されます。単にリズムを刻むだけのメトロノームのような役割だけでなく、いろいろな奏法や変奏法により独奏楽器にもなり、また伴奏においても主奏楽器と一体となった響きは全く独特のものと言うことが出来ます。タブラーがソーロでやる時もありますが、もっとも人気があるのはインド伝統音楽のヴォカリスト、インストロ、ダンサーなどのメーンの奏者に合わせてタブラーの奏者がアドリブで演奏することです。

タンブーラ(タンプーラ)
4~6弦のフレットのない撥弦楽器。大小あります。主音と属和音等(ラーガによって調律を変えることもある)を一定のテンポで繰り返し響かすことにより、演奏全体のバックグラウンドを作り出す働きをもちます。
演奏
インドの音楽は完全な即興演奏で、演奏される時間帯や場所によって曲が異なります。演奏会場の雰囲気によっても変わってきます。そのため、どんな演奏会でも、事前にあらかじめ演奏する曲を決めることは、極めて困難です。
基本的にシタールの演奏会は3部構成になっています。
第1部は長い序奏部から始まります。序奏部はタブラー(インドの太鼓)なしで演奏され、お客さんに演奏に集中してもらってムードを醸し出します。次にタブラーの伴奏が入り、ゆっくりしたリズムから、だんだん早いリズムでの演奏になっていきます。
第2部は短い序奏部のあと、すぐにタブラーの伴奏が入ります。
第3部は軽い感じの古典的音楽を演奏をします。シタールとタブラーが最初から一緒に演奏を開始する短い形式の曲で、人間の様々な感情や表現を含んだ楽曲
です。